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岡山の映画館「シネマ・クレール」の応援団結成 「ミニシアターがあるまち」残す

「シネマ・クレール応援団」の石原達也さん

「シネマ・クレール応援団」の石原達也さん

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた映画館「シネマ・クレール」(岡山市北区丸の内1)を応援する「シネマ・クレール応援団」が5月9日、結成された。

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 同館は1994(平成6)年12月、会社員時代から自主上映会を開くほど映画の好きだった館長の浜田高夫さんが、石関町にオープンした。2001(平成13)年、現在の場所へ新館を建設し、2007(平成19)年までは2館で上映をしていた。現在は新館の60席と110席の2スクリーンで、1日各6本ほどの上映を行っている。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4月28日から休館とした。5月7日に再開したが、無観客の上映もあるほど集客に困っていた。運営を維持していくためにクラウドファンディングで資金を集めることを考え、映画と映画文化を大切に思う「岡山NPOセンター」(岡山市北区表町1)の石原達也さんに相談したことから、応援団の結成へとつながった。

 集まったのは、「吉備人出版」(岡山市北区丸の内2)の山川隆之さんなどを含む4人。同館を応援したい人は多いだろうと考え5月18日、「同館での思い出」を集めるアンケートサイトを立ち上げた。25日までに集まった回答は、「初デートで行った」「転勤してきて、さみしい時期を救ってくれた」など126にも及んだ。年齢や性別、職業などを超えた104人が、応援団となった。

 6月5日、クラウドファンディングをスタートする。目標額は1,000万円。浜田さんは「映画館は、最善の予防策を準備し、良い作品を用意して待っていることしかできない。若い頃、イングマール・ベルイマン監督の映画に魅了された。高校生や大学生の時見た映画は、ずっと心に残ることがある。そんな体験をシネマ・クレールでこれからもしてほしい」と話す。

 クラウドファンディングの応援に対して、映画フィルムを入れる「フィルム缶」、映画「ゲゲゲの女房」の鈴木卓爾監督・特製ポストカード、同館の貸し切りできる権利、同館で飼われている名物猫「クレオ」の缶バッジなどを準備している。

 集めた同館の思い出エピソード、同館の歴史、これまで上映してきた映画の紹介などをまとめた書籍の発行も予定している。応援団の石原さんは「公園や音楽ホールと同じように、多様な価値観を提供してくれるミニシアターは、生きていくのに欠かせない大切な場所。ミニシアターがあるまちという価値を改めて尊く感じている。この日常を守るために力を貸してほしい」と話す。

 「シネマ・クレールで見た映画『うつくしいひと』は、記憶に強く残っている。2016(平成28)年の熊本地震直後、現地に行き支援活動をした経験から、自然災害という人の力ではあらがえないものから立ち上がろうとする力やかけがえのない日常の美しさを感じた。岡山でも被害のあった平成30年7月豪雨の時にもこの映画のことを思い出し、力をもらった」とも。

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