神奈川県出身の横山弘毅さんが現在、高梁市の空き家を改修し、地域の学びやをつくるプロジェクトを進めている。
横山さんは、オンライン授業やオンライン家庭教師などの事業を行う「バンザン」(東京都新宿区)を2020年10月に退社し、高梁市に移り住んだ。北海道、青森、広島、鹿児島など都市部と地方の教育格差をなくす活動をしてきたが、地方の人口減少に伴う児童・生徒の少なさに問題意識を持っていたという。
横山さんは「高梁市は、人口2万9000人の町。小学校は15校、中学校は6校、高校は私立2校を含む5校あるほか、吉備国際大学もある。備中松山城など古い歴史と文化もあり、小さな町にこれだけの資源があることに驚きと好奇心が生まれた」と話す。
昨年夏に高梁を訪れたとき、数軒の空き家を見せてもらったという。備中松山藩の財政危機を救ったとされる山田方谷にちなんだ「方谷橋」から土手を下りた本町通りとの三差路に、築100年ほどの民家があった。以前はお酒や駄菓子なども売る商店だった場所を横山さんが購入しリノベーションを始めた。
リノベーションには約500万円がかかる想定だが、高梁城南高校の電気科やデザイン科の生徒など、地域の人と共にリノベーションや運営をしていく予定。屋号や名前はまだ決まっていないため、高校生や大学生など地域の人と一緒に考えたいという。
1階は子どもから大人まで気軽に集える場所とする。駄菓子の販売を行い夜は酒を一緒に飲めるような場所にする構想もある。既存の学校では制約のかかってしまうことを、教育ラボとしてゲームやオンラインを使って取り組む予定にしている。 建物には井戸や地下室、吹き抜け、屋上テラスなどもあり、2階でコワーキングスペース、3階でゲストハウスの運営も視野に入れている。
横山さんは「日本は、世界でも教育にお金を使わない国として有名。都市部で暮らす人たちは、受験に縛られた教育をせざるを得ない状況がある。もっと自由に面白いと感じられる教育をやりたくて、移住した。今後は楽しいことの連鎖が生まれ、結果的に高梁に移住者が増えることを期待している」と話す。
現在、クラウドファンディングサイトで仲間集め、資金集めをしている。1月18日まで。