自然・野生動物保護新聞「NATURE TALK(ネーチャートーク)」が1月中旬、第3号を発行する。
同新聞は、倉敷市在住の中学2年生・沖メイ子さんが文章、イラストを制作し発行する。沖さんは、小学校低学年のころ行った動物園で世界自然保護基金(WWF)のパンダマークを目にし、野生動物の保護について興味を持ったという。
沖さんは今年5月、南アフリカとオンラインでつなぎ開催された「WILDLIFE ACTION(ワイルドライフ アクション)」に参加。南アフリカ政府公認の唯一の日本人女性サファリガイドという太田ゆかさんの話を聞き、自分にできる野生動物保護のためにできるアクションとして新聞を発行することにしたという。
新聞名は、「自然の声に耳を澄まして、みんなで話し合う」の意味を込めて名付けた。第1号は太田ゆかさんから聞いたサイの密猟状況を掲載。第2号は、アフリカゾウ密猟・違法取引について図書館やインターネットで調べて記事を執筆した。第3号のテーマは「エキゾチックペット」。
沖さんは、普段から天然素材の服を選び、ベランダでバジルやトマトを作るなど、ベジタリアンでもある。小遣いから寄付もしている。「知って 感じて 考えて 行動する」をテーマに同新聞を発行する。沖さんは「同世代の人やこれまで興味のなかった人にも手に取ってもらえるように紙で配ることにした。象牙製品を買わない、FSC認証マークの紙を使うなど私たちにできることがある。多くの人に読んでもらいたいので、置いてくれる場所があれば教えてほしい」と話す。
このほか、認定NPO法人UAPACAA(ウワパカ)国際保全パートナーズの活動を記事にする森のブータン「奇跡の谷」新聞も発行した。同新聞に登場するアジアゾウ、インドサイ、ベンガルトラ、ブータンシボリアゲハを版画で描き、ポストカードにした。ポストカードにはQRコードがあり、動物の情報を知ることができる。1枚150円で販売し、利益の半分を各動物の保護をする団体に寄付する。
沖さん独自も、ポストカードを販売し保護団体に寄付できる仕組みを始めた。標高6000メートルの中央アジアに生息するユキヒョウは気候変動による生息地の減少で危機的状況にある。ユキヒョウを描いたポストカードの販売している。
このほか、寅年から寅年までの12年間で減少が著しいトラの生息数を2倍にしようとする世界的な取り組み「トラ倍増計画」を応援するために、沖さんの母・悠子さんが描いたアムールトラ・ベンガルトラ・スマトラトラの3種のポストカードも販売する。
沖さんは「新聞を発行する過程で、動物を保護する上で同じ場所に住む現地人の生活のことにも目を向けることを学んだ。人と野生動物が共存できる世界を目指したい、私はいつかアフリカで保護活動を実際にしたい」と話す。
同新聞は現在、岡山県内の幼稚園・小・中学校、信州大学、池田動物園(岡山市北区京山2)、渋川動物園(玉野市渋川)、渋川マリン水族館(同)、岡山県自然保護センター(和気町)などで配布している。