おかやま山陽高校(浅口市鴨方町)の調理科・カレーチームが開発したカレーを8月26日・27日、飲食店兼加工所「MARS LAB(マーズラボ)」(岡山市北区問屋町)で販売する。
同校とマーズラボとのコラボレーション企画は、昨年12月にポークカレーのレトルト商品を天満屋福山店(広島県福山市)で開催された「井原・浅口フェア」で販売したのに続くもの。コロナ禍で年1度開いていた高校生レストランが中止となり、同校の校長が家で楽しめるレトルトの商品開発を調理科に依頼したのがきっかけ。寄島のカキを使ったクラムチャウダーが校長先生からの提案だったが、原価の高いカキを使わず、学びの多いカレーづくりに至ったという。
昨年夏頃、同校・調理科の8人でカレーチームを結成して、チキン、ポーク、ビーフ、カキの4種を研究した。チームを指導する同校の坂手壮太郎教諭は20年ほど前からラーメンを研究・調理し、2019年には同校近くの空き店舗にラーメン店「さかて」(浅口市鴨方町)をオープンした。月に2日間は同校・調理科が店舗を利用してラーメン店を開いている。
当日提供するカレーは、「ごろっと美星牛を使ったビーフカレー」(1,000円)とマーズラボのオリジナル「瀬戸内食材のビーフカレー」との合い掛け、マーズラボのオリジナル「桃太郎チキンのキーマカレー」との合い掛け(以上1,100円)を予定している。
調理科3年生で料理研究部部長の矢吹妃茄盛(ひなせ)さんは「通常のカレー作りと違う点は、レトルトパウチにする工程があること。殺菌処理のため120度まで加熱するため、カレーに及ぼす影響を考える必要がある」と話す。
カレーに使う肉は、井原市美星町で育てられた美星牛。前足の肩とすねの部位を使う。完成時に5センチほどの肉の塊にするため、10センチ角に切った肉を使うという。肉を煮た時に出るだしとバターや小麦などを混ぜフォンドボーを作る。ラーメン店「さかて」の鶏ガラスープとターメリックなど15種類のスパイスを調合して仕上げる。
試食は約半年間にわたり、1回の試食で何杯ものカレーを食べたという。最後の2杯になったところで校長が試食して決定に至ったという。「高温加熱すると、味はまろやかになるので、しっかりとした味と肉の食感を残せるように検討を繰り返した」と矢吹さんは振り返る。
坂手教諭は「これまで高校近くで開いてきた高校生レストランでは、学校関係者や地域の人が多く来てくれたが、今回はカレー好きの人にも食べてほしい。このコラボで、生徒にはたくさんの学びがあった。加工品にするノウハウなど、料理人の幅も時代と共に広がると感じた」と話す。
当日はテイクアウトにも応じ、「ごろっと美星牛を使ったビーフカレー」のレトルトカレー(850円)も販売する。
営業時間は10時30分~15時。