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岡山市が11都市目のユネスコ創造都市に 文学部門として国内初

岡山市文化振興課の流尾正亮さん

岡山市文化振興課の流尾正亮さん

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 岡山市が10月31日、文学分野として国内初のユネスコ創造都市ネットワークに加盟認定された。

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 ユネスコ創造都市ネットワークは2004(平成16年)にスタートしたプロジェクト。文学のほか、映画、音楽、デザイン、食文化、メディアアート、クラフト&フォークアートの7分野があり、食文化で山形県鶴岡市、映画で山形県山形市、音楽で静岡県浜松市など国内10都市が認定されている。今年の認定は、世界55都市、国内では岡山市が唯一の認定となった。

 岡山市は、2022年3月に「文学による心豊かなまちづくり」を提言した。これまでには、児童文学作家の坪田譲治の業績をたたえ、1985(昭和60年)から坪田譲治文学賞を開催。阿川佐和子さんや五木寛之さんらが審査員を務める。市民から童話を集める「市民の童話賞」も同年スタートしたほか、随筆や詩、俳句などを募集する「岡山市民の文芸」は今年で55回目を迎えた。

 選ばれた要因として、文化振興課の流尾正亮さんは「重松清さん、原田マハさん、小川洋子さん、平松洋子さんなど岡山ゆかりの作家が多数いるだけでなく、岡山市の公立小・中学校のほぼ全ての学校図書室に司書を配置していることもある。岡山県立図書館は、2022年度の入館者数と個人貸出冊数が都道府県立図書館で3年連続の1位だったこと、岡山市立図書館は1916(大正5)年に市民の寄付で建設された経緯があること、千日前に江戸時代にあった図書館『経誼堂(けいぎどう)』などの歴史があることなど、知らず知らずのうちに文学に触れる土壌があることも要因だと思う」と話す。

 「おかやま文学フェスティバル」では昨年度から、旧内山下小学校で「おかやま文芸小学校」や表町商店街で「ブックストリート」、ルネスホールで朗読会などを行った。本年度は、これまでのプログラムに加え、誰でも自作のオリジナルのZINE(ジン)を販売することができる「おかやまZINEスタジアム」の開催を予定している。

 流尾さんは「文学を言語表現の芸術と捉え、これまで知られてこなかった取り組みを整理し、より文学に触れる機会を作っていきたい。各都市との交流などから、後には人材育成や産業を生み出し、持続可能なまちづくりにつなげていきたい」と話す。

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