コーヒースタンド「煎(い)ルガ&プラウ」(岡山市北区弓之町)がオープンして、2月16日で2カ月がたった。
同店は、以前はたばこ店だった小さな店内でコーヒーをテイクアウト販売するほか、古い棚や机を使ってコーヒー豆やドリップパック、布製のカップホルダーなどを販売する。店の前の赤い郵便ポストが目印。
店主の西田康孝さんは、「コーヒーはフルーツ」をキーワードに果物を思わせる香りにこだわって浅いりの焙煎(ばいせん)したコーヒーを中心に提供する。エチオピア、ルワンダ、ブラジル、ケニアなど生産農園や輸送・保管などの品質管理が適正に行われているスペシャルティコーヒーを中心に取り扱う。
開業前、会社員だった頃の西田さんは営業先で何杯もコーヒーを飲み胃が重くなる経験から、コーヒーが苦手だったという。2011(平成23)年から約5年間、発酵食やオーガニック食材を使ったメニューを提供するダイニングバー「リバイバー」を経営。「有機生活マーケットいち」の出店時に出合った「Mellow Coffee(メロウコーヒー)」のコーヒーをおいしく飲めたことに衝撃を受け、趣味で自家焙煎を始めた。
2021年に焙煎所を開設。翌年、レンタル店舗「パブリックカウンター」(石関町)でコーヒースタンドを出店。開店までの約2年間は、イベントも合わせて年間200日ほど出店した。
西田さんは「コーヒーが苦手だった私でも、焙煎したばかりのコーヒー豆は飲みやすいことを知った。コーヒーも果物としての鮮度があることに気付いた。コーヒーの苦味を苦手に感じている人にも、楽しみ方はたくさんあることを知ってほしい」と話す。
メニューは、ハンドドリップコーヒー(450円~)とアイスコーヒー(500円~)のほか、カプチーノ(550円)、エスプレッソ(400円)、砂糖を使わず米こうじで甘みを出したチョコレートで作るカフェモカ(650円)、抹茶ラテ(600円)、冷やし甘酒(350円)などをそろえる。
「近隣住民や常連客のほか、岡山後楽園へ向かう外国人旅行者も来る。日本人は深いり豆を丁寧にハンドドリップするコーヒーを好む人が多いが、アジア系の旅行者はフルーティーな浅いりを、オーストラリアの旅行者はすぐ飲めるエスプレッソを好むなど、国や文化による違いや傾向を知ることができて面白い」とも。
営業時間は11時~18時。