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坪田譲治文学賞に「成瀬は天下を取りにいく」 森詠さんとの対談も

第39回坪田譲治文学賞を受賞した宮島未奈さん

第39回坪田譲治文学賞を受賞した宮島未奈さん

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 「第39回坪田譲治文学賞」の贈呈式が2月23日、岡山芸術創造劇場ハレノワ(岡山市北区表町3)で開かれた。

「第39回坪田譲治文学賞」を受賞した宮島未奈さんと森詠さんの対談

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 同賞は、岡山市出身の小説家・児童文学作家の坪田譲治にちなみ1985(昭和60)年から開催。岡山市は2022年3月から「文学による心豊かなまちづくり」を提言し、昨年11月、ユネスコ創造都市ネットワークに文学部門として加盟認定された。

 今回は、2022年9月1日~2023年8月31日に発刊された文学作品から「大人も子どもも共有できる世界を描いた優れた作品」という観点で、阿川佐和子さん、五木寛之さん、川村湊さん、中脇初枝さん、西本鶏介さん、森詠さん、森絵都さんの7人の審査員が選考した。金原ひとみさんの「腹を空かせた勇者ども」を含む最終選考6作品から、宮島未奈さんのデビュー作「成瀬は天下を取りにいく」が受賞した。

 受賞した宮島未奈さんは静岡県富士市出身。小学3年生の時、「天才えりちゃん金魚を食べた」の読書感想文コンクールで入選。審査委員から「物語を書いてみては」と勧められたことをきっかけに小説家に憧れる。京都大学文学部卒業後、結婚し2009(平成21)年から滋賀県大津市に住む。在宅ライターなど文章を書く仕事に携わりながら、2014(平成26)年に地域ブログを書き始めるが、小説家になるために作品応募はしていなかった。森見登美彦さんの「夜行」を読んだことをきっかけに小説家になる夢を改めて追い始める。

 宮島さんは、「女による女のためのR-18文学賞」に4度挑戦し、第20回で大賞・読者賞・友近賞の3賞を「ありがとう西武大津店」で受賞する。同作品を収めた書籍「成瀬は天下を取りにいく」を含めると、「読書メーターOF THE YEAR 2023-2024」など全10賞を受賞し、16万5000部を販売した。

 同著は、少し変わった中学2年生の成瀬あかりと同級生の島崎みゆきの青春物語。成瀬は、閉店が決まった西武大津店に通い、ローカルテレビ局が毎日放送するカウントダウン中継に映り続ける。

 「M-1グランプリ」に挑む話、200歳まで生きると宣言する話、丸坊主にしてみる話など、同著には6話が収録されている。

 宮島さんは「執筆中はコロナ禍だったこともあり、明るくて楽しい青春ものを書くことした。登場人物の成瀬は、いつもぶれない。『未来のことは分からない』からこそ、挑戦する姿を描いた。数年前の私は作家になれるとは思っていなかった。大人には、青春時代を思い出しながら、子どもには未来をもっと見てみたいと思ってもらえるとうれしい」と話す。

 続編の「成瀬は信じた道をいく」を1月24日に発売した宮島さんは「成瀬シリーズは3作目までは書くつもり。成瀬のように200歳まで生きることを考えれば、あまり無理せず、生活を変えないように作家活動する」とも。

 授賞式の後、ユネスコ創造都市ネットワーク加盟記念行事として宮島さんと森詠さんの対談、五木寛之さんの講演「坪田賞が遺したもの」が行われた。

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