個人や団体が自作した本などを販売する「おかやまZINEスタジアム」が2月25日、旧内山下小学校・体育館(岡山市北区丸の内1)で開かれた。
同イベントは、岡山市が主催する「おかやま文学フェスティバル」の一環として初開催した。オリジナル、アート、フリー、ノンフィクションの4カテゴリーで募集し、当日は71ブースが出店した。イラストレーターの作品集やカレンダー、クリエーターグループのZINEやポストカード、宇野港の暮らしを綴ったZINE、国立療養所「長島愛生園」にまつわる記録集、仏教についてまとたZINE、好きな本屋を紹介する本、廃墟の写真集、短歌集や詩集、小説などが販売された。
個人出版社「自転プレス」のヤマモトケイスケさんは、読者が選ぶ選択肢によって展開が変わる漫画「ゲームブック」を自作し出店。ヤマモトさんは中学生の時、流行していた「ゲームブック」を自作し、大学在学中に本格的に創作を始め、2015年からイベントへ出店を始めた。「今回はZINEが主役のため、自作の本を求めて来る人が多かった、反応が良くてうれしかった」と振り返る。
クリエーターが文章や画像などを投稿できるメディアプラットフォーム「note(ノート)」を通じて出会ったメンバーで作る「note倶楽部」は、エッセーや小説、漫画などをZINEにして出品。同クラブのくにとみゆきさんは「イベントが小説を書く目標になった。乗代さんのワークショップにも参加し、創作方法を学べた。売れるかどうかの前に、自分で作品を作り、出店できたことが楽しかった」と話す。
2021年に坪田譲治文学賞を受賞した乗代(のりしろ)雄介さんによる講演会もあり、昨年10月から3回にわたり岡山城で行なった創作ワークショップを振り返った。
ワークショップコーナーでは、表紙の紙を自分で選びZINEを作るワークショップや、豆本作り、文学を感じる岡山市の場所や物事をA5サイズの用紙にイラストと文章で書く「みのまわリポート」などを来場者が体験した。
岡山市文化振興課の西川祐衣さんは「当初は50ブースの募集だけだったが、結果的にブースを増やした。作品を発表したい人、人の作品を見たい人が大勢いることがうれしかった。文学創造都市おかやまとして、文学を通じた多様な交流が生まれるような取り組みをしていきたい」と話す。
3月9日・10日には、トークショーや朗読会、ワークショップなど「おかやま文芸小学校」を開く。