「高祖保(こうそたもつ)資料館・なかなか庵」(瀬戸内市牛窓町牛窓)が、5周年を迎えた。
高祖保は、牛窓町生まれの詩人で生涯4冊の詩集を出版している。高村光太郎、堀口大学、北原白秋などと交流があった。34歳で亡くなる直前には、合唱曲「蜜柑(ミカン)の実」の歌詞を作詞している。堀口大学からは「雪の詩人」とも称されている。
同館には、自筆の随筆や愛用していたペン立て、蔵書印などゆかりの品々が、全国の高祖保を知る人から集められ、数多く展示されている。
同館スタッフの清須浩光さんは「伯母が高祖家に嫁いでいて、高祖家のルーツを探り始めたのがきっかけで(高祖保と)出会った。才能豊かな詩人が牛窓にいたことを知ってほしくて、高祖良子さんと同館をオープンした」と話す。同館には取り壊しとなった高祖家にあった挟(はさ)み箱、地券箱、あんどん型の電気スタンドなども展示している。
西大寺混声合唱団の団長も務める清須さんは同曲を歌ったCDを作成。「同曲がNHKで合唱曲として流れた時には本人は出征していた。牛窓の景色を歌ったであろう同曲を一度聞いてみてほしい」とも。
開館時間は10時~16時。連休などに開館している。入場無料。