岡山の瀬戸内市立美術館(瀬戸内市牛窓町牛窓、TEL 0869-34-3130)で現在、企画展「生誕90年 加山又造展 生命(いのち)の煌(きら)めき」が開かれている。
日本画家の加山又造は1927(昭和2)年、京都府の西陣織の図案を制作する家に生まれた。1949(昭和24)年に東京美術学校(現東京芸術大)を卒業。西欧近代の技法を取り入れた日本画、水墨画や陶芸の制作のほか、身延山久遠寺本堂(山梨)の天井画、天竜寺法堂(京都)の「雲龍(うんりゅう)図」などを完成させた。1997年に文化功労者として顕彰され、2003年に文化勲章を受章した。
同企画展では約60点を展示。作風によって「動物-西洋との対峙(たいじ)」「伝統の発見」「生命賛歌」「伝統への回帰」「工芸」の5章に分類した。縦1.65メートル×横約6.5メートルのびょうぶ絵「夜桜」、加山又造が好んだネコを描いた作品などが並ぶ。
会期中の日曜、計9回「ギャラリートーク」を行う。担当する館長の岸本員臣(かずおみ)さんは「加山又造さんの生誕90年の企画展は数年前から心待ちにしており、準備に力を入れてきた。多くの方に本物の美術作品に触れる機会を提供し、楽しんでもらえる話題を提供したい」と話す。13時30分開始で、所要時間は約20分。参加無料、事前申し込み不要。
ギャラリートークに参加した岡山市東区の30代男性は「桜を題材にした作品で、伊勢型紙を使用したことを聞いた。日本画の制作の様子を気軽に聞けて、印象に残った」と話していた。
開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は、一般=800円、65歳以上=700円、中学生以下無料。6月4日まで。