岡山市北区の千日前商店街で6月23日、「作る・つながる・伝える」をテーマに手作りのフードやユニークな趣向を凝らした約30の露店が並ぶ「日限(ひぎり)の縁日」が行われる。
もとは大雲寺で毎月23日に行われている日限地蔵の縁日で、同商店街では2011年12月から始め、今回で19回目となる。実行委員長の時宗正幸さん(39)は「きっかけは3.11直後の被災地に赴きボランティア活動する中で、人と人、人と地域のつながりの大切さを痛感し、自分たちの地域はどうだろうかと考えたのが始まり」と話す。
時宗さんの住まいは岡山市の街中にあり、商売をする人は郊外に住み通う人が増え、付近の小学校も廃校が相次ぐような状況。高層マンションが建つようになったが町内会に入る人は減り、地域への愛着や人々のつながりに希薄さを感じていたという。1965年ごろには300もの露店が並び参拝者は5万人を越えたという大雲寺、日限地蔵の縁日を、かつてのにぎわいを取り戻したいという思いもあり、友人や会社社長、近隣商店の経営者らで「日限の縁日実行委員会」を発足したという。
今月は23日が日曜日となるため、表町商店街の中の紙屋町、栄町、下之町でも同時開催。盛大に行う予定。大雲寺エリアでは9時から露天が並び、境内では11時からオカリナフレンズによるオカリナの演奏や、書家・吉田綾舟(りょうしゅう)さん、蟠龍(ばんりょう)さんによる書道パフォーマンスが行われる。千日前エリアでは11時から露天が並ぶほか、13時半からは路上映画館「日限劇場」で岡山の偉人達を紹介する映画や子ども向けの昔話などの上映も。そのほか、絵本の読み聞かせやライブパフォーマンス、「表町エリアお祭りネットワークこちゃみ~」による古くから伝わる備前太鼓唱の中でも表町かいわいで歌われてきた「こちゃえ節」も披露する。
時宗さんは「大型ショッピングモールが建設中の岡山で、今こそ街中で商売する人たちの横のつながりが必要。大人たちにはかつてのにぎわいを思い出させ、子どもたちには大人になった時に思い出に残るような縁日を。人と人とがつながる、3世代共有できる楽しい日なので、気軽に遊びに来てほしい」と呼び掛ける。
詳細はフェイスブックページで確認できる。