岡山市立上道(じょうとう)中学校(岡山市東区南古都)で10月3日、市立上道公民館との連携事業として「地域学習・防災学習」の授業が行われた。
同事業は4年目。同公民館で2013年に「防災キャンプ」を行い、東日本大震災以降に地域や学校から防災についての講座の要望が出ていたことをきっかけに、同中学校で授業を始めた。「防災学習」は持続可能な開発のための教育(ESD)のテーマの一つでもあることから、「命の大切さを学ぶ」「一人で生き延びる力を身に付ける」ことを目的に学年別プログラムを実施する。
中学1年の「総合」の授業として実施。「地域学習・防災学習」の導入として、福島県浪江(なみえ)町の「希望の牧場・ふくしま」でボランティア活動の経験がある、市立旭東中学校教諭の竹島潤さんを講師として招いた。
竹島さんは3年前から同牧場を計5回訪問し、現地の様子を経験に基づいて生徒に伝える取り組みを行っている。同牧場の運営、牧場の除染作業、浪江町と周辺の被災後の状況、同町立請戸(うけど)小学校の津波避難、福島県南相馬市立小高(おだか)中学校の合唱曲「群青(ぐんじょう)」の紹介など、写真と動画を交えたスライドを提示しながら説明した。
竹島さんは「福島県の様子を生徒に伝えて、災害後の様子や防災について知って考えるきっかけをつくりたい。実際に行って初めて知ったこと、驚いたことを伝えることで、各自でできることを考えて実践できるようになってもらえれば」と話していた。
123人の生徒が熱心な様子で説明を聞き、質疑では積極的に挙手していた。女子生徒は「遠い地域の話なのに印象に残った。地域の人とのつながりの大切さに気が付いた」と話していた。