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岡山国際ホテルが大規模リニューアル、ハワイ出身総支配人が大幅改革

「緑に囲まれ、岡山市中心部を望むこの展望も自慢です」と、総支配人のケネス・ミツツネさん

「緑に囲まれ、岡山市中心部を望むこの展望も自慢です」と、総支配人のケネス・ミツツネさん

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 岡山国際ホテル(岡山市中区門田本町4、TEL086-273-7311)が4月にリニューアル、3カ月がたつ今も、新サービスやイベントを多数実施し、これまでのイメージを一新している。

「THE GARDEN TERRACE」屋内席の様子

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 1973(昭和48)年に「岡山の迎賓館」として生まれた同ホテルは一時の衰退期を経た後、40周年を迎える今年、大々的なリニューアルに踏み切った。ハワイのリゾートホテルを手本に、上層階にあったレストランを1階カフェテラス部分に集約させ、ロビーの一部まで拡大。広さ853平方メートルに、オープンキッチンと広々とした屋外テラス40席を備えた合計132席の大型レストラン「THE GARDEN TERRACE(ザ・ガーデン・テラス)」を4月にオープンした。それまで閑散としていたロビーに、宿泊客だけでなくレストラン利用者も集うことで賑(にぎ)わいを創出し、ホテル全体を活気ある明るいイメージへ変えることに成功したという。

 岡山のホテルとしては初の「バレーサービス」(玄関で客の車を預かり、従業員が駐車場までの出し入れを行う)の開始や、利用客の8割が女性ということで、「女性が喜ぶ・楽しくなるホテル」をテーマに、客室のアメニティーの見直しや女性好みの雰囲気づくりに取り組んでいる。7月からは1階ロビーフロアの女性用トイレに、利用後持ち帰れるオリジナルハンカチを設置。新規顧客の開拓を目的に、毎月第1金曜にはプロのボイストレーナーを迎え「話し方セミナー」や、第2木曜には「女子力UPセミナー」を、8月から地元書家を講師に迎えて「書道教室」など、定期講座も行っていく。

 昨年より総支配人として就任したハワイ出身、日系3世のケネス・ミツツネさんは、これまでドイツ、アメリカ、オーストラリア、パラオなどでホテル運営・再建に携わってきた経歴を持つ。ミツミネさんは「再建には元のコンセプトに戻りながら時代に合わせたものをブレンドする、昔からの利用客にも違和感なく、新しさを感じさせるのが条件。建物そのものを変えるよりも、スタッフの意識と岡山の人から見たイメージを変えることに力を注いだ」と語る。内部組織をアメリカ的な部門別・独立採算制に変え、成功もリスクもシェアすることで仕事に対する責任感を持たせ、サービス向上のために、アメリカやヨーロッパの一流ホテルが何10年も行ってきたというスタイルを徹底的にたたき込んだという。

 ミツツネさんは「地元社会と密接に関係し、お互いに発展していかないと意味がない」と考え、食材は岡山県産の厳選した生産者から直接仕入れたものを中心に、「本日の主な食材産地」として生産者名の表記も毎日行っている。地元農家、生産者へ特産物を売るフリーマーケット会場として駐車場を、工芸家や作家たちへ作品展示にロビーの一角をそれぞれ無料提供している。

 外国人スタッフは10人以上おり、イタリア、エジプト、タイ、韓国、中国など8カ国語に対応。ミツツネさんは「今まで同ホテルを利用したことのない地元の方にも生まれ変わった姿を知っていただき、リゾート感を味わいながら岡山を再発見してほしい。ここから世界に向けて岡山の魅力を発信し、ファンをつくっていきたい」と熱く語る。

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