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岡山の銭湯、火事からの再建を懸け資金集め 成功しなければ廃業

さら地となった清心温泉で再建を誓う篠原英治さん

さら地となった清心温泉で再建を誓う篠原英治さん

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 岡山市の銭湯「情熱の湯 清心温泉」(岡山市北区清心町)が再建を懸けて6月17日から、クラウドファンディングによる資金集めを始める。

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 同施設は1949(昭和24)年に創業。2009年に一度営業休止した後、2012年に営業再開。2017年11月3日、営業準備中に火災で全焼。3世代続いてきた建物は解体された。

 3代目番頭の二宮丈晴さんは会社員を続けながら不定期営業を続けていた。特にサッカーJ2ファジアーノ岡山のホームゲームの日には、常連客によるサポーターが焼き鳥屋台を出すなど、多くの人が訪れていた。

 二宮さんが廃業準備をする中、今年3月から常連客たちによる募金活動が行われた。街頭でビラ配りをするなどした結果、約100人に及ぶ支援者から200万円以上の資金が集まった。再建に必要な資金3,000万円のうち、1,000万円を二宮さんが負担し、助成金などを活用し1,000万円を調達。残りの1,000万円をクラウドファンディングで集めることにしている。目標額の1,000万円に到達しない場合、同施設は廃業する。

 約3年前から同施設を利用していた常連客の一人・篠原英治さんが、「みんながワクワクして面白がってくれるのであれば」と二宮さんから同挑戦を任された。篠原さんは「常連客が焼き鳥を焼き、ノベルティグッズを作り、勝手に輪が広がっていく不思議な銭湯。二宮さんは、トレードマークの近鉄バッファローズのキャップをかぶり、地域の人が気軽に来て交流できる場にしたいといつも情熱のある人。行動力と熱意に憧れて、何かをしたいと提案したのが始まり」と話す。

 「再建後は、銭湯営業外でもシェアスペースとして活用することを考えている。喫茶ランドリー(東京都墨田区)をモデルに人がつながることができる場所にしたい。火事というマイナスから始まった同企画だが、だからこそ成功させてプラスな場所に変えていきたい」と意気込む。

 クラウドファンディングの返礼には、一日番頭になれる権利(5万円)、90分間貸し切り権(5万円)、お風呂の壁に絵を描ける権利(20万円)のほか、終身入浴券(290万円)という高額なものもある。

 期間中はさら地となった場所でチャリティーイベントなども企画しているほか、岡山駅前商店街の桃太郎市にも出店する予定。チャレンジに成功できれば、来年の夏から秋には再建後の営業再開を検討している。挑戦期間は7月29日まで。

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