「邦楽奉納コンサート」が8月15日、神道山・黒住教本部の大教殿(岡山市北区尾上)で開かれる。
同イベントは、「にっぽんココロ動くプロジェクト」として初開催となる。同プロジェクトは、日本の魅力ある「音楽」「物」「場所」をつなげ、文化発展・伝統継承を目指す。東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本文化の魅力発信などをする「ビヨンド2020」のプログラムにも選ばれている。
会場を拝殿・本殿とする黒住教は、1814(文化11)年に立教した。建物は約45年前に建設され、本殿部分の木材は伊勢神宮・遷宮時に頂いたものが使われている。
奉納される音楽は、山部泰嗣(たいし)さんの和太鼓、浅野祥(しょう)さんの津軽三味線、石垣征山(せいざん)さんの尺八、元「鼓童」前田剛史さんの鳴物・和太鼓。山部さんは岡山県倉敷市出身。3歳で太鼓を始め、6歳で倉敷天領太鼓のメンバーとして舞台に立ったという。2004(平成16)年、「東京国際和太鼓コンテスト」で史上最年少・最優秀賞を獲得した。2011(平成23)年のオカヤマアワード・伝統芸能賞を受賞している。
山部さんは「太鼓の世界、伝統文化の世界は伝わりづらい。メロディのある津軽三味線や尺八の力を借りて、聴きやすく楽しい音楽を感じてもらいたい。神社やお寺はもともと人が集まる場所。誰でも気軽に来てほしい。子どもが泣いても、走ってもいい。車椅子でも来ることができる。五感で何かを感じてもらえれば、難しいことは必要ない」と話す。
「3月にリリースした構想10年のアルバム『TAISHI』でも共演している3人とは阿吽(あうん)の呼吸。ジャズのように、アイコンタクトだけでソロを入れたり曲を終わらせたりすることもある。会場の雰囲気からインスピレーションやパワーをもらう。普段、邦楽を聞かない人、黒住教に来ない人に来てほしい」と呼び掛ける。
1919(大正8)年創業の「丸五」(倉敷市茶屋町)の地下足袋を会場では展示・販売する。山部さんはステージに上がるときに履いている。
開場=14時、開演=15時。入場料は、前売り=3,000円、当日=3,500円。