甲冑(かっちゅう)を着込んだ武者姿で「新しい日本を」世界に発信しようと活動している「サムライジャパンプロジェクト」が1月8日、岡山城(岡山市北区丸の内2)に現れた。
サムライジャパンプロジェクトは現在、赤い甲冑姿でキックスケーターに乗り、北海道の宗谷岬から沖縄県の波照間島まで、47都道府県の風景をインスタグラムに投稿しながら進んでいる。2019年7月2日に北海道をスタートし、岡山には191日目で到達した。
2010(平成22)年、シンガー・ソングライターとしてデビューしたRakeさんが、音楽以外の方法で表現者として世界に発信できる同プロジェクトを企画した。武者姿という日本をイメージしやすいアイコンで、日本各地の風景・面白い場所をインスタグラムで、旅の様子はツイッター、ご当地食リポートをユーチューブで発信している。サムライジャパンプロジェクトはプロジェクト名であり、Rakeさんの呼び名でもある。
1日に約20~40キロを進む。「車や新幹線では分からないキックスケーターだからこそ、地域の雰囲気が感じられる。峠を越えると言葉が変わり、顔つきや体格が変わったように思えることもある。各地の歴史を聞き、時間の旅もできる」とRakeさん。岡山では、岡山城、JR岡山駅の桃太郎像だけでなく、本人が感じた驚きの風景をインスタグラムにアップする予定という。
サムライジャパンプロジェクトのインスタグラムフォロワー数は、約2万3000人(2020年1月9日現在)。80パーセントは外国人で、60カ国100都市以上の人がフォローしている。Rakeさんは「ブラジルの高校生から「日本には行ったことはないが、一緒に旅をしている気分になれるとのメッセージをもらったこともある」と話す。「ツイッターやユーチューブでは旅の様子を発信しているため、道中で出会う人が声をかけてくれることも増えた」とも。「差し入れでもらったおにぎりに助けられたこともあった。声を掛けてもらったり、一緒に写真を撮ったり、コミュニケーションが取れることはうれしい」と笑顔を見せる。
今後は、岡山市内から国道53号線を北上し、津山市、鳥取県、島根県へと移動するという。ゴールは4月ごろを予定しており、「累計走行距離は約8000キロになる見込み」とも。ゴールを達成すれば、「キックスケーターを使った移動の最長距離」のギネス記録を更新する可能性もあるという。
毎週木曜に黒江美咲さんがパーソナリティーを務めるJFN系列のラジオ番組「simple style-オヒルノオト」にも電話出演して近況などを伝えている。Rakeさんは「先を急ぐ旅ではなく、体で日本を感じながら丁寧に発信していきたい。これからもっと寒くなり、日没も早くなる。見かけたら声を掛けてほしい」と話す。