「美星町観光協会」(井原市美星町)が現在、「星空保護区」認定へ向けて「びせい星守プロジェクト」を行っている。
岡山県南西部に位置する美星町は、1954(昭和29)年に4村が合併した。町内を流れる美山川と星田川から1字ずつ取り美星町と名付けられた。美星町は、1989(平成元)年に「美しい星空を守る美星町光害防止条例」を制定。同条例は、人工光の拡散を防ぎ、夜空を守ることだけでなく、省エネルギーや環境保全を目的としている。
国際ダークスカイ協会が認定する「星空保護区」には6つのカテゴリーがあり、自治体単位で登録する「ダークスカイ・コミュニティ」認定を目指す。「ダークスカイ・パーク」のカテゴリーで、西表石垣国立公園(沖縄)が日本初の「星空保護区」に認定された。
井原市役所・美星振興課の小川貴史さんは「条例から30年がたち、住民の認識も落ちてきていた。認定のための整備をし、天の川が当たり前に見える美星町を残したい」と話す。認定のためには、屋外照明を上方180度に漏れないようにすることと、色温度3000K(ケルビン)以下にすること。町内にある防犯灯400基を取り換える予定としている。
美星町には、口径101センチの望遠鏡がある「美星天文台」(同)があるほか、「美星公園」(同)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)がスペースデブリ(宇宙ごみ)を観測する「美星スペースガードセンター」(同)がある。
同課の伊達卓生さんは「美星町には星空がよく見える条件がそろっている。瀬戸内は晴れた日が多いこと、気流が安定していること、人口も少なく空が暗いこと。町と一緒になってきれいな空を守り、次世代に美星町の環境を残すことが目標」と話す。
現在、資金調達のため、クラウドファンディングを実施中。今月28日まで。