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岡山の吉備人出版、25周年記念「ほんとまち大賞」 テーマもジャンルも問わず

「ほんとまち大賞」を主催する吉備人出版の山川隆之さん

「ほんとまち大賞」を主催する吉備人出版の山川隆之さん

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 「ほんとまち大賞」の応募受け付けが8月25日、スタートする。主催は、吉備人(きびと)出版(岡山市北区丸の内2)。

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 同社は1995(平成7)年に設立。同賞は25周年記念事業として行う。設立15年、20年時にも作品募集を行い、今回が3回目。テーマは設けず、自分史、小説、随筆、詩、俳句、短歌、写真、絵本、歴史・自然研究、ノンフィクションなどジャンルも問わない。商業出版が初めての人に限る。同社・社長の山川隆之さんは「読者は、地域の人。岡山を見直すきっかけや好きになるような、地域に愛情を持った作品を送ってほしい」と話す。

 これまで、古代史などの研究をしてきた人が発表の場として書籍の出版を行うケースや、子育てや環境問題などNPO法人の活動の集大成として書籍の出版を行うケースなど、「本づくりはまちづくり」をテーマに約730冊を出版してきた。「地域の魅力を本として残す。多くの本が出版されることは、地域が豊な証拠。SNSなどウェブの時代にあっても、物理的に存在する本は、本棚に長い年月残る。手渡しできる本だからこそ、思いがけない出合いを生む可能性を感じている」とも。

 2010(平成22)年の第1回を受賞した「愛だ!上山棚田団~限界集落なんて言わせない!」は、大阪市西成区で結成された「英田上山棚田団」が、岡山県美作市上山地区にある8300枚の棚田の再生を行う活動記録。2007(平成19)年に活動をスタートし、200キロ離れた岡山での草刈り、開墾、水路掃除、稲作など3年間を描いている。

 2015(平成27)年の第2回を受賞した「夜中にミシンを踏みながら」は、服飾デザイナーの間野菜々江さんが制作した商品について書き留めたフェイスブックの投稿74編をまとめたもの。現在は、「音の絵」としてデザイナー活動をしていて、他ジャンルの作家とコラボしギャラリー出店も行っている。間野さんは、生地に刺しゅうする「エンブロイダリーレース」の織機が西日本で唯一ある「丸山刺繍」(赤磐市桜ヶ丘西9)で、刺しゅうレースを制作している。

 山川さんは「書籍になる一つ一つが、地域の財産。家族のこと、地域のこと、やってきた活動を『本』にして後世に残すことを、もっと身近にしたい。気軽に書籍化できる文化となり、財産を共有し残していけるまちを目指している」と話す。

 応募期間は8月25日~10月25日。同社内で選考を行い、12月25日に発表する。優秀作品は、2021年6月25日に同社から出版予定。

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