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山陽放送が画家・石村嘉成さんの映画 ドキュメンタリーとドラマを融合

主演の小林章子さんと監督の平松咲季さん(左から)

主演の小林章子さんと監督の平松咲季さん(左から)

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 RSK山陽放送創立70周年記念映画「新居浜ひかり物語~青いライオン~」の上映が11月8日、岡山メルパ(岡山市中山下1)で始まった。

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 同局は、自閉症で画家の石村嘉成さんをニュースで取り上げたことをきっかけに、2019(平成31)年からドキュメンタリー番組3本を制作してきた。追加取材を行い、本人や父・和徳さんが登場するドキュメンタリー映像と新たに撮影したドラマを組み合わせた、同局初の映画作品となる。

 石村さんは愛媛県新居浜市に生まれる。2歳で自閉症と診断され、母の有希子さんと療育に取り組む。9歳の時、有希子さんがガンを診断され、2年後に亡くなる。高校生になり油絵や版画を始め、19歳で第2回新エコールドパリ浮世・絵展ドローイングコンクールで優秀賞を受賞した。

 映画では、嘉成さんと母の有希子さんの療育と闘病の生活を描いている。有希子さん役を演じたアナウンサーの小林章子さんは「父・和徳さんは嘉成さんの受けた療育について、一つの選択肢として知ってほしいと思う気持ちがあった。河島淳子さんの療育について書籍を読み、トモニ療育センターの人にヒアリングさせてもらい、間違った伝え方にならないよう心がけた。有希子さんのメモやリポートが段ボール数箱分も残っていて、きちょうめんできめ細やかな人柄まで伝えたかった」と話す。

 監督の一人、番組担当ディレクターで入社4年目の平松咲季さんは日本大学芸術学部映画学科監督コース出身。「ドキュメンタリーの撮影中は、既に有希子さんは亡くなっていたので、ドラマ部分を加えることで岡山・香川の人以外にも伝わる映画にしたかった。交互に展開するラストはホームビデオで撮影した当時の有希子さんも登場し、石村嘉成さんの現在の活躍や明るい人柄まで知ってもらいたい思いを集約した。家族の在り方、子育ての在り方に正解はない。自分の家族のことを思う時間になれば」と話す。

 小林さんは「有希子さんの服を実際に使わせてもらった。父・和徳さんは私を有希子さんに見えてきたと言ってくれた。私もそうだったように多くの母親は、子育てで思い悩むことがあるはず。障害のあるなしに関係なく、大切な学びがあるはず」とも。

 ドラマ部分には、檀ふみさん、竹下景子さんのほか、岡山で活動する藤原康典さん、八木景子さんらが出演。天満屋岡山店や旧内山下小学校が登場するほか、県内では岡山・倉敷・浅口での撮影もあった。9日には、同館で舞台あいさつも予定している。

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