岡山市・表町商店街にある服部管楽器(岡山市北区表町3)らでつくる「楽器なおし隊」は現在、平成30年7月豪雨で被災した楽器を無償修理している。
服部管楽器の服部悟さんは、災害のあった翌日8日からSNSを使って同活動を告知。告知を見た中川楽器(倉敷市宮前)、楽器堂(表町3)が活動に賛同し、楽器なおし隊を結成した。
服部さんは日頃から楽器の修理をしている一方で、国立音楽院・鳥取南部校で楽器リペアラーとして教鞭(きょうべん)を執っている。同校の学生も同活動に参加している。作業は、泥に漬かった楽器を洗浄。普段はしない全体を水洗いし、パーツごとに分解し、再度洗浄する。乾燥した後、念入りに除菌と消毒。服部さんは「細かい調整にはかなり神経を使う。さびが出ると分解が難しい。特にカビをしっかり除菌する。楽器に触れることのできる日常の生活に早く戻れるように支援したい」と話す。
服部さんは、被災した倉敷市真備町の友人宅にボランティアで訪れたという。多くのボランティアが訪れているが、被災地の片付け作業はなかなか前に進まない。自分のできることは、演奏する人にとって大切な楽器を元に戻すことだと思いボランティアで始めた。
これまでに持ち込まれた楽器は50本以上。広島県・愛媛県などからも送られた。楽器堂ではギターなどの修理も行っている。約20~40万円の楽器が多く、パーツ代も全て無償で引き受けているため、修理代は8万円に及ぶこともある。ボランティアで活動すると決めたが、各店の負担が大きくなることと支援者が現れたこともあり、一部をクラウドファンディングで資金を調達することにしたという。
楽器修理の受け付けは8月31日まで。