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岡山「せとうち市民放射能測定所」、自然食品店で出張測定

測定車と「せとうち市民放射能測定所」代表の大塚尚幹(しょうかん)さん

測定車と「せとうち市民放射能測定所」代表の大塚尚幹(しょうかん)さん

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 岡山の放射能自主測定を行う「せとうち市民放射能測定所」が、自然食品の店「コタン岡大前店」(岡山市北区学南町2、TEL086-256-2224)でほぼ月に1回、食品の出張測定をしている。

出張測定を行う「コタン岡大前店」外観

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 同測定所代表の大塚尚幹(しょうかん)さんは「福島での原発事故以来、食への不安から特に子どもに食べさせてもいいものか、当初の国の基準値では高いと感じ、自分たちで測りたいと始た」と話す。寄付金を募り、2011年11月に当時届くまでに4カ月待ちだったという「シンチレーション式測定器」を発注・購入。翌年3月11日から測定を開始している。重さ130キロはあるという測定器は1度設置してしまうと動かすのが困難なため、車に積むことで移動式に。大塚さんは「測定車としては日本初。車ごと貸し出しもできるので、結果的に重宝している」と話す。

 コタン店主の近藤英和さんは「店でも測定器の購入を検討していたが、高額であることや専門知識のあるスタッフ確保などを考えると『気軽に始められることではない』と頭を悩ませていた。同じころに測定車の話を聞いて店に来てもらうことにした」と話す。同店では独自の基準を設け、米や小麦粉など日常の食事の中で一度に摂取する量の多いものから優先的に測定を行っているという。

 近藤さんは「これまでも生産者との付き合いを大切にしてきた。産地だけで判断するのは残念。知ることで安心できるし、もし検出されてもそれで終わりとは考えていない。改善するための材料になる。つながりを続けていくために行っている」と語る。

 大塚さんは「依頼者の中には『福島の原発事故以来、不安で食べるのをやめていた』という食品を測りに来て、非検出結果を目の前で見て『今日から安心して食べられる』と喜んだ方もいた。測定の目的の一つ『風評被害』を消すことができた」と笑顔で話す。

 測定日は同店と同測定所のホームページで2~3週間前に告知。個人持ち込みも1検体2,500円で受け付けている(液体・固体とも1リットル分が必要、固体はできるだけ細かく粉砕している方が好ましい)。そのほか、測定車の貸し出し依頼・問い合わせは同測定所Eメール(info@setouchi-lab.org)で受け付ける。

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