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岡山・西粟倉村で子どもが森を学ぶ5日間「百森留学」 まき割り、かまどでご飯炊き

株式会社ほんまもんの奥出一順さんと秋月佐耶子さん

株式会社ほんまもんの奥出一順さんと秋月佐耶子さん

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 岡山県・西粟倉村の「森」を学ぶ5日間のプログラム「5DAY's百森留学」の参加者を現在、株式会社ほんまもん(西粟倉村)が募集している。

株式会社ほんまもんの奥出一順さん1

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 同社は来年4月、寄宿舎で暮らしながら同村の学校へ通う「百森留学」の事業を始める。社長の奥出一順さんは、自身の理想の子育てをかなえるため、京都市左京区にある人口80人以下の久多集落に移住。限界集落で過ごす1週間の体験プログラム「いなか塾」を行ってきた。

 西粟倉村の人口は約1400人。山や川など自然がある一方で、人口の約1割が移住者。行政が、ローカルベンチャー支援に取り組んだ結果、若い起業家が多くいる村となった。自然の中で暮らす生活と同時に、現金収入を得られる経済活動も同時にできる西粟倉村を選び、スタッフの秋月佐耶子さんと昨年、築300年といわれる古民家に拠点を構えた。

 同プログラムは、小学3年生から中学3年生の7人が4泊5日を共にする。朝は6時に起床し、鶏の世話やまき割り、かまどでご飯炊きをする。地域の協力で、自然林の探索トレッキング・人工林整備のための下草刈りや獣害対策ネット張りなどを行う。

 奥出さんは「森林は、自然林ばかりでも人工林ばかりでもだめ。自然界も人間界も同じように多様性やバランスで成り立っている。命の源でもある水は山からやってくるが、災害など怖い存在になることもある。多面的に見る力や不都合なことを受け入れたり乗り越えたりする力が勝手に付いてくる。朝、日の出とともに置き、体を動かして夜ぐっすり眠れる生活リズムを体感するだけで、子どもの気持ちも健康的になっていく」と話す。

 西粟倉村は「100年の森林構想」を掲げている。村の面積の95%が森林で、そのうちの84%が人工林。50年前に植えた樹木が大切に引き継がれて現在の森林をつくり、これからの50年も引き継ぎ100年の森林を育んでいく構想。奥出さんは「森も人もしっかり守(も)りをしていくことが大事。村にいる個性的な大人たちと関わり、50年後の未来へ向けた体験としていきたい」とも。

 同プログラムのほかに、2泊3日の「おやこ百森留学」も計画している。毎週日曜にオンラインで説明会を行っている。

 「自然が好きな人だけでなく、都市部に住んでいて自然に触れることのない人に来てほしい。子どもが1人で西粟倉村まで来ることも一つの体験になる。災害や新型コロナウイルスの感染拡大など予想外なことが起こり得る時代に、子どもは計算されたプログラムではなく、自然の中で予想外なことに対応する力を身に付けてほしい」とも。

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