現代アート展「Can Dialectics Break Bricks?(弁証法はレンガを破壊できるのか?)」が4月23日、黒住教宝物館(岡山市北区尾上)で開催される。
同展は、黒住教・8代目の黒住宗芳さんが個人で企画する「まることプロジェクト」の第一弾として開催する。今回はアートをテーマに、倉敷芸術科学大学准教授の川上幸之介さんをキュレーターに迎え、イギリスを拠点にする素性不明のアーティスト・バンクシーさんの作品など集め10点を展示する。
「まることプロジェクト」とは、同教団に伝わる穏やかで歪みや偏りのない状態を表す「まること」を実現するため、テーマを通して世の中づくりを行うプロジェクト。今後、「食」や「スポーツ」などのテーマで企画する予定。今回は、現代アートが持つ問いを来館者が感じ、考えるきっかけをつくることが目的としている。
同展のタイトルは、ルネ・ヴィエネさんが1973(昭和48)年に発表したカンフー映画の字幕を書き換えた映像作品から名付けた。黒住さんによると同作品は、テレビや新聞などメディアが発展したことで受け身になった現代人が、書き換えられた映画字幕を見ることで、知らず知らずのうちに社会への違和感や問いを感じ、自発的に議論を始める力があるという。
バンクシーさんの「ナパーム」、ステフ・デイビッドソンさんが編集した「ポリティカル・コミックス」、マルジャン・サトラピさんの自伝的グラフィック・ノベル「ペルセポリス」なども展示する。
4月23日には、同展に「This question may have something inconvenient, it’s not possible to answer・・・」を出展するアーティスト・池田武史さんのアーティストトークを「KAG」(倉敷市阿知3)で開くほか、30日には同宝物館で、「バンクシー ~アート・テロリスト~」の著者で東京芸術大学教授の毛利嘉孝さんのトークショーも開く。
同展の売り上げの一部は、育児放棄された重症心身障がい児を療育・リハビリをするインド・コルカタの施設「ダヤダン・メディカルセンター」で30年間ボランティアを行う渋谷りつ子さんの活動費として寄付する。
開館時間は10時~16時。入場料は500円。5月5日まで。