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岡山初のゲストハウス「とりいくぐる」開業4カ月-鳥居のある「不思議な空間」

残された鳥居を生かしリノベーションを行った昭和初期の建物

残された鳥居を生かしリノベーションを行った昭和初期の建物

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 奉還町商店街の奥に、岡山市内では初となるゲストハウス「とりいくぐる」を含む複合施設「NAWATE(なわて)」(岡山市北区奉還町4)がオープンして4カ月が過ぎた。オープンは7月。

1階ラウンジの様子

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 鳥居の組み込まれた不思議な建物は1949(昭和24年)ごろに建てられた元精肉店で、中庭を挟んで奥にも建物があるが、通りに面した一部に八百屋が入っている以外は空きスペースとなっていた。不動産屋が偶然見つけ、取り壊すのではなくそのままの姿を生かす活用方法はないかと、建築設計事務所、デザイナー、学生らとプロジェクトを立ち上げ改装。2階部分は肉屋の従業員のための寄宿舎であったことからゲストハウスへ、戸外空き室を貸店舗としてそれぞれ利用することになり、かつてこの地域が「畷元町(なわてもとまち)」と呼ばれていたことから「なわて」と命名し、複合施設として生まれ変わった。

 2段ベッドの並ぶドミトリーは、男女共用12人部屋(22平方メートル、1泊2,800円)と、女性専用10人部屋(21平方メートル、同)のほか、個室(定員2人、6畳弱、1泊6,000円)が1部屋。トイレ・シャワー共同、共有キッチン・洗濯機・乾燥機あり。1階はリビングを兼ねたカフェスペースで宿泊客以外にも開放しており、コーヒー、酒、ソフトドリンクなどを提供、持ち込みもできる。そのほか宿泊客に自転車のレンタル(1時間100円、1日500円)も行っている。

 管理人の明石健治さん(27)は「肉屋当時の面影が建物のあちこちに見られる。客からは『予想していたより中がきれい』と言われることも。鳥居はかつてここに神社があった名残で『面白い』と記念写真を撮る客も多い」と話す。今年は瀬戸内国際芸術祭が開催されたことから岡山に立ち寄る客も多く、小さな子どもを連れた家族や、旅慣れた20~40歳代の客なども。9月から海外向けのホテル検索サイトにも登録したこともあり外国人客も多いという。明石さんは「管理は2人で24時間ずつ交代で回している。拘束時間が長く大変だが、いろいろな人と出会えるので楽しい。宿泊客と飲むこともある」と笑顔で語る。

 奥の建物は、現在は雑貨店、アメリカンビンテージ服店、プリザードフラワーショップ、企画事務所などが入居。10月27日には空いていた部屋に生花店もオープンし、全ての部屋が埋まった。かつて冷蔵室として使われていた建物も11月にギャラリーとしてオープンするという。

 チェックイン16時~22時、チェックアウト11時まで。で宿泊予約状況は同施設公式ホームページで確認できるほか、メールフォームからも申し込める。問い合わせは「NAWATE」(TEL 086-250-2629)でも受け付ける。

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