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岡山で「おはなしのWA」の朗読会 宮沢賢治作品を手話表現者と共に

「おはなしのWA」の中村恵美さん

「おはなしのWA」の中村恵美さん

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 朗読会「3.11朗読と音楽と伝えたいことvol.11」が3月8日、ルネスホール(岡山市北区内山下1)で開かれる。

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 主催は、元RSKアナウンサーで作る朗読グループ「おはなしのWA」。東日本大震災の直後に、元代表の江草聡美さんの声がけで、現代表の遠藤寛子さん、阪上彰子さん、中村恵美さん、西田多江さん、渡辺ありささんの6人で結成。保育園や幼稚園での読み聞かせをすることで得た謝礼の一部を復興支援金として被災地へ送り始めた。

 同会は2013(平成25)年、レストラン「ぶどうの木舎」(楢津)で、第1回を開催。第2回には計画的避難区域となった福島県飯館村の「ニコニコ菅野農園」の菅野クニさんも参加した。コロナ禍で一度中止したが、毎年1回開催。「ひまわりのおか」「かぜのでんわ」「1000の風1000のチェロ」などの絵本を題材に、主にルネスホールでの朗読会を開き、「いいたてっ子未来基金」に寄付してきた。

 2018(平成30)年の西日本豪雨の後、被災した倉敷市真備町で聞いた話を元にストーリーを作成、氏峯麻里さんの絵を加えて絵本「ブラザーズドッグ」を完成させる。この年からは、福島と真備町の2カ所に支援金を送るようになる。

 今回は、同朗読会として11回目。同団体が行う朗読会として50回目を迎える。演目は、「東日本大震災鎮魂~岩手県出身作家短編集」に収められている澤口たまみさん小説「水仙月の三日」を2019(平成31)年以来2度目の朗読を行う。ストーリーは、東日本大震災で恋人を失った女性を主人公とする物語。なぜ恋人は三陸海岸に出かけて行ったのかを、宮沢賢治の絵本「水仙月の四日」から謎を解き、女性の心も再生していく。

 主人公の女性を6人のメンバーが読み分けるほか、「水仙月の四日」の部分は、岡山県手話通訳問題研究会の泉田絵理さん、岡本寛子さん、西神瑞恵さん、山根淑子さんの4人が、朗読者より前で手話通訳とは違う手話表現を行う。手話表現を行うのは今回が初めて。スクリーンには、イラストレーターの川崎貴さんの絵を映し出す。

 音楽ゲストとしてマリンバ奏者の李成花さん、パンフルート奏者でパーカッションを担当する今井勉さんが参加する。

 中村さんは「当団体で開催してきた朗読会も50回を迎えた。東日本大震災から13年。そろそろ支援を終わりにするという団体の声も聞くが、私たちは続けることを選んだ。能登半島地震の被災地にも今回から支援金を送る予定にしている。朗読を通して伝えられることを大切にしていきたい」と話す。

 13時30分開場、14時開演。入場料は一般2,000円(前売りは1,500円)。

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