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岡山大学がサッカー観戦の自動車来場客に告知活動 「ファジウォーカー」提案

岡山大学大学院環境生命科学研究科の氏原岳人准教授と谷本翔平さん

岡山大学大学院環境生命科学研究科の氏原岳人准教授と谷本翔平さん

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 岡山大学がサッカーJ2ファジアーノ岡山のホームゲーム開催日の8月16日、自動車から公共交通機関などに移動手段を替える提案をする「ファジウォーカープロジェクト」の施策の一つでアンケート票や告知パンフレットを観戦客に配布するなどの告知活動を行う。

「やさしいアクセス」のスタッフTシャツ

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 同プロジェクトは岡山大学大学院環境生命科学研究科准教授の氏原岳人(うじはらたけひと)さんが呼び掛け、同教育学研究科講師の高岡敦史さん、ファジアーノ岡山スポーツクラブ、国土交通省中国地方整備局岡山国道事務所らが賛同し、昨年7月に始動した。産官学が連携して約15人が参画している。

 プロジェクトの発端は交通渋滞を含め都市計画を研究している氏原さんが、シティライトスタジアム周辺の国道53号線の慢性的な渋滞を解決しようと提案した。「やさしいアクセス」という「人・地域・地球にやさしい移動方法」をスローガンとして、自動車に過度に依存した社会から公共交通機関や徒歩、自転車などを重視した社会への転換を目指すプロジェクトを立ち上げた。

 同スタジアムに平均観戦者数1万人を昨年超過したファジアーノ岡山のホームゲーム開催日の課題に着目し、「やさしいアクセス」の第1弾を「ファジウォーカープロジェクト」として試みている。渋滞緩和の取組みでスポーツ観戦を含めた事例は珍しいという。

 試合当日に岡山大学のプロジェクトメンバーが車で来場した観戦客に同プロジェクトの協力を呼び掛け、アンケート票など告知資料を配布する。配布は8月16日から9月23日の試合開催日に全4回行う。車以外の来場方法をアンケート票に回答し、次の試合にその方法で来場して申告すると「ファジウォーカー特製バッジ」を入手できる。氏原さんは「昨年の事前調査では転換できそうな条件の観戦客は一定数いた。目標1割が自動車以外の移動手段に転換できれば、街にとってよい効果が期待できる」と話す。

 同プロジェクトの告知活動として、試合前日と当日に岡山市内11カ所の国道情報板に「ファジアーノ 試合観戦は徒歩・自転車・公共交通で!」と表示する。スタジアム内の大型スクリーンでPR動画を上映する。アンケート票と共に配布するB2版両面の「公共交通マップ」は、岡山市が作成したマップをもとにファジアーノ仕様にアレンジした。

 研究メンバーの谷本翔平さんは「このプロジェクトの成果が見られたら全国的に注目されると思う。スタジアムや体育館の市街地への移転で課題になる渋滞問題について、将来的に岡山の取組みが参考にしてもらえるようになれば」と話す。

 アンケート票の配布は、8月16日・20日、9月10日・23日。試合開始の5時間前から配布する。

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