講演会「バリアバリュー~障害を価値に変える~」が10月18日、就実大学110周年記念ホール(岡山市中区西川原1)で開かれた。主催は岡山西南ロータリークラブ。
登壇したのはミライロ(大阪市淀川区西中島3)の垣内俊哉社長。同社は、車いすユーザーの垣内さんが2010(平成22)年に設立。デジタル障害者手帳「ミライロID」やユニバーサルマナー検定の実施など、障害者や高齢者などが感じる社会のバリアについて、環境・意識・情報の3つの観点から解消を目指す。2025年に東京証券取引所グロース市場に上場した。
垣内さんは、生まれつき骨が弱く折れやすい病気「骨形成不全症」。講演の中では、江戸時代から8代続く病気であること、歩くことが夢で手術、リハビリを行ったが挫折し17歳で命を絶とうとしたこともあったという。4人部屋の同じ病室であった人にかけられた言葉や、営業職として働いた会社の社長の言葉など、垣内さんの転機となったストーリーを話した。
ほかにも、日本は約1500年前から多様性について考えられていたことや、諸外国と比べて公共交通機関のバリアフリー化が進んでいることについても触れた垣内さん。1965(昭和40)年に三宅精一さんが考案した点字ブロックが世界で初めて岡山市内で敷設されたことも話した。
1994(平成6)年に「ハートビル法」と2000(平成12)年の「交通バリアフリー法」を統合し、道路・公園・駐車場などを含む包括的な「バリアフリー法」が施行された。2013(平成25)年の「障害者差別解消法」、2016(平成28)年の「障害者雇用促進法」の施行から、事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が2024年から義務化された。今年7月には民間企業の法定障害者雇用率は2.7%に引き上げられた。
主催する岡山西南ロータリークラブは、主に企業経営者が社会貢献活動を行う団体として1969(昭和44)年に設立。現在は会員59人が在籍する。同団体の秋山裕一会長が、以前垣内さんの講演を聞き、障害者、健常者にかかわらず多くの人に垣内さんの話から「生きる力」を感じてほしいと依頼をした。
当日は、視覚障害者、聴覚障害者、車いすユーザー、補助犬、高校生、大学生など179人が参加した。障害者支援などを行う団体でつくる「合理的配慮の普及及び実装支援事業」プロジェクトの一環で、事前の会場視察で当日必要なアドバイスを聞き、手話通訳や動線の確保、トイレの案内など配慮を考えた上で実施したという。