長谷寺の岡山県出開帳「大和国の長谷寺から観音さまがやってくる」が10月31日、おかやま未来ホール(岡山市北区下石井1)で開かれる。
長谷寺は、全国に3000の末寺のある真言宗豊山(ぶざん)派の総本山で、開山1300年を迎える。国宝の本堂には、高さ10メートルを超える本尊・十一面観音像が祭られている。岡山県内には末寺はないが、毎年2月に行われる西大寺会陽(通称:裸祭り)を行う西大寺は、開祖の藤原皆足姫が長谷寺ご本尊の化身の仏師に千手観音を依頼したと西大寺縁起絵巻にある。
同イベントは、本尊を寺から持ち出し、各地を回る「出開帳(でがいちょう)」として、今年は岡山、茨城県つくば市、群馬県前橋市の3カ所を訪れる予定。舞台上には、本尊とほぼ同じの大きさで描かいた画軸の複製版を設置。約500年前に描かれた日本最大の絵軸を、2019(平成31)年に高解像度でスキャンして制作した。高さは16メートル、幅は6メートル。
舞台では、経典に旋律をつけて唱える「声明(しょうみょう)」を披露する。僧侶10人による「錫杖教(しゃくじょうきょう)」や「大般若(だいはんにゃ)」など4曲を約45分間歌う。豊山派声明は米ニューヨークのカーネギーホール、ヨーロッパの各都市の劇場やオペラハウスなどで公演を行ったこともある。
演奏後には、本尊の足部を再現した立体模型を展示。ご本尊は、足部は取り外しでき、どこへでも出かけていく「遊行仏(ゆぎょうぶつ)」として、全国を行脚したと言われる。当日は、ご本尊と同様に参加者は触れることができる。
このほか、本尊の頭にある顔のうち、真後ろに位置する「暴悪大笑面(ぼうあくだいしょうめん)」のレプリカを展示。同面は、同寺関係者でも普段見ることができない。工事のために足場を組んだ際に両側から1000枚以上撮影した写真から3Dプリンターを使って再現したものを奈良県立大学教授で彫刻家の山田修さんが完成させた。
長谷寺寺務長の吉田敬岳さんは「現在、世界では苦しむ人が増えている。宗教者が本来なすべき役割を果たせていないのではないか。音楽に触れ、五感で感じてもらい願いや祈りをご本尊に届けていく」と話す。
開演時間は13時30分と16時30分。入場料は5,000円(開山1300年限定記念品付き)。