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衣料の寿命、染めて延ばせる「黒染め友の会」7年目 岡山の服飾ユニット呼び掛けで

手芸用品店「もめん畑」の店長・福原奈々さん

手芸用品店「もめん畑」の店長・福原奈々さん

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 手持ちの衣料を染め直すことで寿命を延ばしてもらおうという取り組み「黒染め友の会」が今年も、6月1日から始まる。岡山県内では、2店が衣料の持ち込みを受け付ける。

「黒染め友の会」で染めた紺色のシャツ

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 取り組みの始まりは、2014(平成28)年。手芸用品店「もめん畑」(玉野市築港1)の店長・福原奈々さんとアパレルプランナーで「イワサキケイコキカク」(岡山市北区奉還町4)の代表・岩崎恵子さんが、「衣服のこれから探究ユニット」を結成し、着なくなった服を捨てる以外の活用方法を考えるプロジェクトの1つとして始まった。

 取り組みでは、もう少し寿命を延ばしたい衣料を全国の参加店に持ち込むと、1グラムあたり5.5円で黒く染め直してもらえる。黒染めは草木染めではなく、倉敷市児島のジーンズ生産に携わる染物工場の協力で、繊維と化学結合する反応染料を使う。

 昨年までは年に1回の開催だったが、今年は6月と10月の2回、開催する。今回が「黒染め友の会2021春夏の部」。「もめん畑」など8店が参加し、6月1日から衣料の持ち込みを受け付ける。前回は、合わせて重さ160キロ以上・約1000点の衣料を受け付けた。

 持ち込む衣料は、綿や麻の割合が50%以上で染まりやすくなる。ポリエステルやナイロンなどの化学繊維が使われる衣料も受け付けるが、ウールの混紡は受け付けない。染色後には縮みや色むらが発生しやすいことから、高価なものや思い入れの強いものは避け、気軽に黒く染めて楽しめる衣料の持ち込みを勧めている。

 福原さんは「黄色のバッグはステッチだけが染まらず黄色く残りイメージも変わり、今も使っている。紺色で綿と麻が半々のシャツは黒く染まり、新しい服を買ったかのように着ている。コロナ禍で断捨離をする人が増えていると聞いた。捨ててしまわず、黒染めしてもう一度着てほしい」と呼び掛ける。「黒染めが広まることで、捨てる服を減らしていくことが目標ではあるが、服を選ぶ時から愛着のある服を、大切に長く着ること人が増えてくれることを望んでいる」とも。

 受け付けは6月30日まで。「もめん畑」、「pieni..ecole(ピエニ・エコール)」(岡山市北区出石町)、「福迫写真事務所」(鹿児島県南九州市)、「たみ」(鳥取県湯梨浜町)、「かまくら長谷BASE」(神奈川県鎌倉市)、「KiKi北千住」(東京都足立区)、「洋服のお直しqiv(キブ)」(広島県尾道市)、「タロケイ」(愛知県瀬戸市)に持ち込める。染め直し後の返却は7月後半以降を予定する。

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