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岡山・招き猫美術館で「お飾り市」 デニム、ベンガラ使い「岡山らしさ」表現

福を呼ぶ熊手を持つ学芸員の虫明比斗子さん(左)、わらで作ったエビを持つ作家の山川有美子さん

福を呼ぶ熊手を持つ学芸員の虫明比斗子さん(左)、わらで作ったエビを持つ作家の山川有美子さん

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 岡山市の「招き猫美術館」(岡山市北区金山寺、TEL 086-228-3301)で現在、企画展「お飾り市」が開かれている。

ベンガラで着色したわらのエビ、招き猫、タイ、招福札などで飾られた特大サイズの熊手

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 同展の開催は今回が初めて。縁起物とされる正月飾りを現代風にアレンジして展示し、11月下旬から新年を迎える準備をできるよう企画した。同館学芸員の虫明比斗子さんは「年内から飾って楽しめるよう、招き猫と共通で招福のシンボルであるお飾りを集めた。来年の福を迎える準備になれば」と話す。

 会場には、熊手、リース、竜、ツル、コイ、エビ、ニワトリなど、わらで作った正月飾りが並ぶ。リースには岡山県井原市産のデニム生地、エビの赤・黒の色付けは高梁市で採取した顔料ベンガラを使う。わらは作者の山川有美子さんの知人から提供を受けた物で、備前市にある休耕田を活用して栽培した物という。

 山川さんは「地元の素材を組み合わせて編み、岡山らしい作品に仕上げた。稲穂が出る前の青い稲を刈り取る時期の検討、ベンガラの色をもみこむ工程など、材料や工程一つ一つに協力者の思いが込められている」と話す。

 山川さんは、ひもを結んで模様を作り編み合わせる「マクラメ編み」の技法を使った作品を制作している。使う素材は麻や綿などの天然素材のほかにもビニールなど、作風に合わせて選ぶという。

 「数年前、インターネットを通じて制作方法を独学し、作品を作るようになった。2年前に虫明さんに出会い、作品展を開く提案を受けたのをきっかけに、わらアートを手掛けるようになった。編むことが共通で、新たなジャンルに意欲的に取り組んでいる」と山川さん。

 展示する飾り物は販売も行う。直径18センチのリース・小(2,000円)、宝来鈴が付いた直径20センチのリース(3,000円)がよく売れているという。熊手は3サイズ、小(40センチ、2,000円)・大(80センチ、3,000円)と、エビ・招き猫などを飾り付けた特大(150センチ、3万円)を用意する。

 12月23日は、同所で「しめ飾りワークショップ」を行う。わらを使い、デニムや和紙を使って仕上げる。開催時間は10時30分と13時の2回で、所要時間は各回約90分。参加費2,000円(1ドリンク付き)で受け付ける。予約者優先。

 開館時間は10時~17時。水曜休館。企画展は観覧無料。

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