株式会社パワーエックス(本社:岡山県玉野市、取締役 代表執行役社長CEO:伊藤 正裕、証券コード:485A、以下「パワーエックス」)は、日本航空株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 グループCEO:鳥取 三津子、以下「JAL」)、JAL Agriport株式会社(本社:千葉県成田市、代表取締役社長:籔本 祐介、以下「JAGRI」)とともに、3社で進めるカーボンゼロ農業モデルの実証実験において、「JAL FARM」に導入された蓄電システム「PowerX Cube」の稼働後初となる夏いちごの収穫に成功しました。太陽光発電設備とPowerX Cubeの活用により、空調需要が高まる夏季の使用電力の約6割を再生可能エネルギーで賄うことができました。

■ 実証の成果
2026年は、太陽光発電とPowerX Cubeを組み合わせた電力システムのもとで迎えた初めての夏となりました。本実証においてJAGRIでは、JALと連携協定を結ぶ農業・食品産業技術総合研究機構が開発した品種「よつぼし」を栽培しており、6月より順調に収穫を開始しています。収穫された夏いちごは、成田地区のスーパーマーケットや関東近郊のパティスリーなどで展開しています。
太陽光発電による直接給電とPowerX Cubeによる充放電制御(余剰電力の蓄電、電力使用ピーク時間帯の放電)を組み合わせることで、空調需要が高まる2026年6月~7月の2カ月間において、農園の使用電力の約6割を再生可能エネルギーで賄いました。
これにより、7月は系統からの購入電力を約11,500kWh削減しました。電気料金に換算して月あたり約28万円*、CO2排出量にして約4.9トン**の削減に相当し、これは一般的な乗用車2台分の年間排出量にあたります。
*一般的な低圧電力の料金単価(燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金を含む)による当社試算。
**CO2排出係数は環境省・経済産業省公表の全国平均係数(0.423kg-CO2/kWh、2023年度実績)、乗用車1台あたりの年間排出量は約2.3t-CO2(年間走行距離1万km想定)として当社試算。
■ 実証の背景
いちごは通常、冬から春にかけて生産されるため、夏場は流通量が減少し単価が高くなります。流通の少ない夏場にも出荷できる周年栽培が実現すれば、農業経営の収益性向上につながります。一方、近年の夏季の気温上昇もあり、夏の栽培にはハウス内の温湿度をいちごの生育に適した状態に保つ空調が不可欠で、その電力コストとCO2排出が課題でした。本実証は、空調に必要な電力を蓄電池と太陽光による再生可能エネルギーで賄うことで、収益性の向上と環境負荷の低減の両立を目指すものです。
パワーエックス、JAL、JAGRIの3社は、2025年4月に環境事業における業務提携を発表し、同年7月より「JAL FARM」で夏いちご栽培の実証を進めてきました。2025年12月にはPowerX Cubeが運転を開始し、現在はパワーエックスのエネルギーマネジメントシステム「PowerOS」による遠隔監視のもと、太陽光で発電した電力を蓄えてハウスの空調などに活用する運用を行っています。本取り組みを通じて環境負荷を抑えながら、夏でもいちごの生育に適した環境を維持する「カーボンゼロ農業」の実現に取り組んでいます。

JAL FARM に設置された蓄電システムの稼働状況を、「PowerOS」を通じて遠隔監視
■ 今後の展開
3社は、引き続き蓄電システム制御の最適化を進め、太陽光発電の自家消費率のさらなる向上を図ります。また、本実証で見えた施設園芸特有の需要変動を踏まえ、蓄電リソースを電力市場の調整力として運用するなど、季節の波に合わせた新しい蓄電池の活用モデルを構築します。
気候変動への対応とエネルギーコストの上昇は、いちごに限らず農業全体に共通する課題です。3社は、本実証で得られた知見をもとに、カーボンゼロ農業モデルの他地域への展開など、収益性の向上と環境負荷の低減を両立する農業領域の事業モデルの策定に努めてまいります。
■ 中型産業用蓄電システム「PowerX Cube」について
本実証で導入された「PowerX Cube」は、パワーエックスが自社開発し、岡山県玉野市で製造する中型産業用蓄電システムです。蓄電容量は約30世帯分の1日当たりの電力消費量に相当する358kWh(公称値)。商業施設や工場などにおける電力のピークカットやオンサイト太陽光発電による自家消費に加え、災害時にはBCP(事業継続計画)対応の電源としても活用できます。本実証では、太陽光の余剰電力を蓄え、空調需要が高まる時間帯に放電することで、農園の再生可能エネルギー活用と系統電力購入の抑制を支えています。
製品ページ:
https://power-x.jp/powerx-cube
■ JAL Agriportについて
JALグループの農業法人として2018年に設立。成田空港の近郊に位置する広大な農地を生かした農業生産を行っています。その他、古民家風レストラン「御料鶴」では地元産品を利用した料理の提供を行っています。JALグループの強みである国際的なネットワークやノウハウを生かし、栽培したいちごを海外へお届けする輸出事業にも力を入れており、日本の農作物の価値向上を目指しています。
Webサイト:
https://jalagriport.com/